今年は夏目漱石の没後100年の年、ということで漱石の話題が多いですね。
読売新聞も特集記事が連載されています。
10日は、孫でマンガ・コラムニストの夏目房之助さんのお話でした。
夏目房之助さんは学習院大学教授で66歳、偉大な文豪の一族として世間で注目を浴びるのですが、個人としてはそのことに悩まれたようです。
プロフィルの中には、著書「マンガに人生を学んで何が悪い?」が紹介されていました。
読売のタイトルは「悩んだ姿 妙に親近感」となっています。
漱石の「そ」が出るだけで、「ピリピリと青筋がたつほど、嫌な気持ちになった」と話されています。
周りの「すごいですね」と言う言葉に、「すごいのはおじいさんで、俺は関係ないじゃん」と、思ったそうです。
この辺の話は反抗期の少年のようですね。
中学生の時、同級生の女の子に「おじいさんはハンサムなのにね」と言われ非常に傷ついたと、話されています。
それでも、漱石の孫であることを隠そうとしたことはなかった、「夏目房之助のプライド」と仰っています。
転機になったのは、フリーライターとして自分で仕事を取り始めた30代頃と言うことです。大学卒業後に勤めた出版社が倒産して収入がゼロになり、追いつめられた時、自力でピンチを乗り越え自信につながったと話されています。
【引用】
それまで取材はすべて断っていましたが、この頃から、「漱石の孫」である自分を受け容れ、取材も受けるようになりました。
――漱石との距離が縮まった?
夏目
マンガの国際展示会の仕事でロンドンに行った時、漱石が留学中に暮らした部屋を見たんです。本当に小さな部屋でした。ここに籠もって本に囲まれながら、小窓から異国の地を眺める彼を想像すると、生身の祖父の痕跡を感じました。漱石は留学中に神経衰弱を患うのですが、「俺と同じように苦しんでいたんだな」と思うと、文豪・漱石と、祖父・金之助の姿が重なったような気がしたんです。
――なぜ漱石は愛され続けているのでしょう。
夏目
作品の登場人物が人間関係に悩む様子など、共感することが多く、「祖父も俺と同じことを考えていたんだな」と妙に親近感が湧くことがあります。漱石は非常に複雑で多重性のある人なので、読む人や読む時代によって、作品の印象も異なります。そこに普遍性があるからこそ、読み継がれているんでしょう。
読売新聞12月10日27面
わたしも夏目漱石や孫の房之助さんに親近感を持ちました。
わたしが読んだ漱石の本はほんのわずかです。
学校の課題として「坊ちゃん」や「吾輩は猫である」を読んだほかは、タイトルが気に入って「虞美人草」「こころ」「それから」を読んだ記憶があります。
確か三角関係の話だったような、友達を死に追い込む物語、いずれにしても深い葛藤が描かれていたような、、、気がします。
夏目さんは、「僕もおやじも漱石も、偏屈で頑固」と仰っています。
「偏屈で頑固」というと、、、
わたしの身近にも
いるわ、、、いらっしゃいます。
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