SSブログ

スポンサードリンク

トレンド今昔 江戸時代の洒落本「通気粋語伝」 [雑学としての歴史]

日本人は昔も今も変わらない、と思った記事です。

江戸時代の町人トレンドの発信、洒落本「通気粋語伝(つうきすいごでん)」(山東京伝作1789年)が紹介されていました。

この本は、中国の伝奇小説、水滸伝から集めた洒落本で、作者の山東京伝は浮世絵師北尾政演(きたおまさのぶ)の名でも活躍したそうです。
「通気粋語伝」は「忠義水滸伝」をもじって付けられ戯作、滑稽本などとも呼ばれています。

洒落本とは、江戸時代後期に江戸で生まれた読み物・戯作の一ジャンルで、当時の文化サロン的役割も担っていた遊里の描写や、そこに集う人々の会話で構成される。江戸の人々の美意識を象徴する「通」や「粋」の指南書でもあった。


200px-山東京傳.jpg
引用元:山東 京伝(さんとう きょうでん)

【引用】
本書も吉原の内外を舞台に、男女のかけひきが展開する。題名はもとより、江戸っ子憧れの「通」な人々「十八大通」を水滸伝に登場する108人の豪傑になぞらえ、「豪勇」に「豪遊」をかけるなど、たくみな見立てや言葉遊びを用いている。

若い頃から画文の才に恵まれていた京伝は、版元蔦屋重三郎と組んで刊行した偽作本の相次ぐヒット、出版統制化に受けた厳しい処罰、広告戦略に長けた商才の発揮など、数々のエピソードに彩られて広くその名を知られた。

本書はまた、江戸の美称「大江戸」が使用された初期の文献としても知られる。江戸の繁栄を表すこの言葉には、その華やぎを享受するだけでなく、江戸の町を一層盛り上げ、引っ張っていくのは自分たちだという江戸っ子京伝のプライドと意気込みがうかがえる。
(以下省略)
読売新聞12月2日29面

江戸時代は元禄文化など大衆文化が一気に発展した時代でもあります。
市川團十郎などが登場した歌舞伎や、人形浄瑠璃、井原西鶴の「好色一代男」、近松門左衛門の「曽根崎心中」、俳諧では松尾芭蕉、絵画や浮世絵などが発達しました。
庶民文化を謳歌した時代ですが、平和だったからこそ実現できた、ということなのでしょうね。
こうしてみると、人の興味は時代を超えても変わらないな、と思いますが、平安時代の主役は王朝など貴族だったのに対し、江戸時代は一般庶民が文化を支えていたということですね。

「通気粋語伝」は京伝が処罰を受けた「仕懸(しかけ)文庫」とともに、江戸東京博物館5階で来年2月26日まで展示されているそうです。

nice!(6)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 6

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

広告スペース
Copyright © シニカルを目指すわたしの雑学 All Rights Reserved.

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。