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フレディ・前村 チェ・ゲバラの熱き志を受継いだ日系ボリビア人 [新聞記事]

映画「君の名は。」が海外でも大ヒットしていますね。
アカデミー賞にもノミネートされてこの勢いはまだまだ続きそうです。

「シンゴジラ」の大ヒットや10日からは「海賊とよばれた男」も始まります。
今、邦画が熱いですね(笑)
「海賊とよばれた男」の上映に合わせて文庫本を読み始めました。
ちなみに、主人公はわたしの故郷とも関係がある方でした。

さて、12月4日の記事に祖国ボリビアの開放に身を投じた日系人フレディ・前村の生涯を描いた映画「エルネスト」を紹介していました。
日系人の苦労は今のわたしたちには推し量ることができませんが、今のわたしたちが忘れてはいけないことが書かれていて、とても良い内容でした。
以下は記事から引用です。

【引用】
ワールドビュー「日系人へ敬意あるか」
前リオデジャネイロ支局長 吉田健一

「あなたは日本人か。日本人は本当に勤勉で、信用できる人たちだ」
中南米のさまざまな国で何度そう言われたことか。
ブラジルに約190万人、ペルーに約10万人、アルゼンチンに約6万5000人――。移住先で苦労を刻みつつ、薄紙を一枚一枚積み重ねるように信頼を勝ち得てきた日系移民がいたがゆえの言葉だろう。

ブラジルでは日系人の軍司令官や国会議員が生まれた。移住80周年を今年迎えたパラグアイでは、議会が国への日系社会の貢献をたたえる感謝決議を行った。
先月死去したキューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長は、日系移民が丹精込めて栽培した甘い果物を絶賛したと伝えられる。

そんな日系人の一端に光を当てる映画「エルネスト」(坂本順治監督)が来年秋、日本で公開となる。チェ・ゲバラが率いたボリビア解放闘争に加わり、25歳の若さで命を落とした同国の日系2世、フレディ・前村の人生を描いた作品だ。
「日本にルーツを持つ兄がボリビアのために立ちあがった。日系ボリビア人としてこれほど誇らしいことはありません」

ボリビアの最大都市ラパスで旅行会社を営む妹のロサさん(71)は涙で声を詰まらせた。「信義を守り、人の役に立つ人間になれ」。まだ幼かったフレディに、父の前村淳吉はそう諭していたという。
フレディは医師を志し、革命を成し遂げてほどないキューバに留学。そこで「中南米の開放」を熱く説くゲバラと出会い、軍事政権下にある祖国の解放のため、ゲリラ活動に身を投じた。

フレディはゲバラが犠牲の精神を賞賛するほどのゲリラとなったが、1967年8月31日、戦闘で負傷したところを政府軍に捕えられ、射殺された。仲間の名を明かすよう激しい暴行を受けながらも、口を割ることなく死を選んだという。
「兄は父の教えを守り、信義を貫いて死んでいったのだろう」。弟のアンヘルさん(73)は、銃口を向けられたフレディの心中をそう推し量った。

中南米ではここ数年、中国が存在感を強めようと経済支援を中心に攻勢を仕掛けている。それが必ずしも順調でないのは、それぞれの国で揺るがぬ信頼を得た日系社会が防波堤となっているのが一因だろう。

ただ、残念なことに、日系人と接する日本の外交官や援助関係者らは、しばしばこう口にする。
「日系社会、日系人を活用し――」

人それぞれの語感や好みにもよるのだろうが、「活用」という言葉と「人」とは相性が悪いように思う。
日系人も世代交代が進み、3世や4世の若者たちの中には、日本語を全く解さない人も多い。日系人を「活用」するという、フレディとは対照的な自己中心的発想から抜け出さない限り、日系人の心が日本から離れていく気がしてならない。
読売新聞12月4日

どんな世界でも信頼を本当に勝ち取るには一足飛びでは出来ないということですよね。
「薄紙を一枚一枚積み重ねるように」という言葉が、とてつもない年月、ということを感じさせられました。
技術も信頼もお金で買えると思っているどこかの国と、日本とは違う、ということをわたし自身も信念として持ちたいと思う記事でした。

そういう日本的な価値観が日系人の社会で根付いているということは、わたしたちの誇りでもあります。
「日本を取り戻す」というのは、何も戦前が良かったという話ではないと思います。

百田尚樹氏の「海賊とよばれた男」を読むと、日本的官僚主義の良くない側面も描かれていて、ここは現代も同じだと思いました。
でも、どの時代の日本人も一生懸命生きてきた、このことだけは言えると思います。
日本人が日本人であることを誇りに思う、そのことが、日本を取り戻すことにつながるのではないか、と思っています。

キューバ革命は、キューバの人たちが誇りを掛け、勝ち取った革命でした。
ロシア革命や文化大革命とは全く質の違う革命だった、と思います。
だからこそ、キューバの人たちは欧米による半世紀もの経済制裁を受けても誇りを失うことはなかったと思います。

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