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今も「正義」 マイケル・サンデル氏 米政治哲学者 [新聞記事]

今年最大のリスクはトランプ大統領の就任、とNHKがニュースにしていましたが、米国ではそのように認識されているようです。

これは米国のリベラル、左寄りのメディアが情報発信していることと認識しておいた方がいいと思います。
トランプ大統領誕生がリスクか否かはしっかりと注視していかなくてはいけないと思います。
今年は丁酉の年ということで、大きな変化がありそうな予感がします。

昨日の読売1面にマイケル・サンデル氏の記事「試されるトランプ流」が掲載されていました。
マイケル・サンデル氏は米政治哲学者で、わたしは読んでいませんが、ジャーナリストの高山正之氏の著書に「変見自在 サンデルよ、『正義』を教えよう 」とあったことを思い出しました。

今回の記事では、今の米国を公平に見つめているように感じました。
しかし「正義」に対する思い入れは強いようで次のように述べています。

この市場社会は市場経済と区別して考えるべきだ。
市場経済は生産活動を系統立てる有効な手段で、世界の国々に豊かさをもたらした。民主主義を力強いものにするためには、グローバル化の恩恵が全ての人々に共有される社会を作る必要がある。正義にかなった、公平な社会に住んでいると人々が実感することが必要なのだ。民主主義には正義が必要なのだ。
読売新聞1月3日6面

今の米国に「正義」という価値観があるのかどうか、「正義」が薄れてきていることも事実でしょうね。
原爆投下の正当性が揺らいできていること、真珠湾攻撃すら日本に一発目を討たせるためのものという認識が広がりつつあり、イラク戦争しかり、米国が介入した戦争とは何だったのか、そのことが今、米社会でひたひたと問われてきているのではないでしょうか。
米国は不確実性の真っただ中にあるのかもしれません。

サンデル氏の記事の中で注目したのは次の言葉です。

社会のつながりとは何か。正しい社会とは何か。社会はどうすればまとまるのか。ニューテクノロジーの時代、労働の尊厳をどうやって回復するのか。
読売新聞1月3日6面

「労働の尊厳をどうやって回復するのか」

ギリシャでは、歴史的に「労働 = 苦役・罰」と捉えらている、と以前読売新聞に掲載されていました。
起源はギリシャ神話にあり、ギリシャ神話では、ゼウスの怒りを買ったシシュポスが、罰として苦役の労働が課されています。
このことから、仕事とは人間に与えられた罰である、と考えられてきたということです。
先進国、特に欧米ではこの認識が強いように感じます。

さらにサンデル氏は次のように指摘。

どうすれば良いか。
一つは世界の国々が協力し、行き過ぎた資本主義を規制する国際合意を作ること。もう一つは国家が公共財を充実させて、地域・国家に帰属しているという安心感を国民に与えること。家族から出発し、地域社会の結びつきを強め、倫理観を養う。公教育を強化し、社会福祉を充実することだ。グローバルとナショナルの双方のレベルで、資本主義を万民のために機能させる方法を見出すことが重要だ。
読売新聞1月3日6面

地域・国家への帰属感が必要との話は納得しました。これもまた新自由主義が嫌ってきたものの一つだと思います。日本的な価値観に近いですね。

ということで、サンデル氏の話とトランプ氏の始動、それから株価がどうなるか、気になる2017年です。

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