今日は「枯れた花」です。
実は枯れたアジサイの花が割と好きなのです。
カラカラになるまで残っているあの姿が、最後まで自己を主張しているようで、どこか憧れるところがあります。
狂言師の野村萬斎さんが、50歳になってこれからは枯れの美学を追求しようと思っている、と確か「徹子の部屋」で言っていました。
わたしは室町幕府の足利義政と日野富子の生涯を描いた、NHK大河「花の乱」で萬斎さんのファンになって以来、注目してきました。
おっかけではないです、ハイ(笑)
「枯れの美学」、いかにも伝統芸能の継承者らしいことばだと思います。
近所の公園に咲いているアジサイ、枯れが始まっています
枯れて変色したガクアジサイ
草花風の可愛い花
数学者の藤原正彦氏は著書「国家の品格」で、「日本人は、自然と心を通わせるという得意技を持っている」と仰っています。
日本人の感性は四季のある自然界で育まれる部分が大きいというわけですが、この感受性について次のように指摘しています。
【引用】
自然への繊細な感受性を源泉とする美的情緒が、日本人の核となって、世界に例を見ない芸術を形作っている。「悠久の自然と儚い人生」という対比の中に美を感じる、という類まれな能力も日本人にはあります。
日本という土地には、台風や地震や洪水など、一年を通じて自然の脅威が絶えません。他国よりも余計に「悠久の自然と儚い人生」という対比を感じやすい。「無常観」というものを生み出しやすい風土なのでしょう。
藤原正彦著 国家の品格 98~99ページ
ことばで表しにくい感性の世界ですが、日本という風土が関わっている、でもこれは平和な時代を謳歌してきた日本人だからこそ、と個人的には思います。
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