君の名は。
観てきました。
新海誠監督の映画は初めてです。
テレビで初めて新海監督の話を聞いたとき、この人の作品を見てみたい、と思いました。
予想通りカップルの若者や、女の子、男の子のグループ、ほぼ若者でいっぱいでしたが、中にはこの子たちのお母さん世代の女性もちらほら見かけました。
わたしもその一人です。
「君の名は。」、タイトルは伝説のドラマ「君の名は」と同じです。
内容がすれ違う切なさという点では、似ているのかもしれません。
カタログの最初に、そういう手が届かないものに対するもどかしさを表わした印象的なモノローグがあります。
【引用】
朝、目が覚めると、なぜか泣いている。
そういうことが、時々ある。
見ていたはずの夢は、いつも思い出せない。
ただ
ただ、なにかが消えてしまったという感覚だけが、目覚めてからも長く残る。
・・・・ずっとなにかを、誰かを、探している。
そういう気持ちに取り憑かれたのは、
たぶんあの日から。
あの日星が降った日。それはまるで
まるで、夢の景色のように、ただひたすらに
美しい眺めだった。
―――引用終わり
声を担当した、神木隆之介君と上白石萌音ちゃんのどちらもが、この言葉の清冽なイメージにぴったり合う、それほど二人の声はインパクトがありました。
風景描写は新海監督の特徴の一つですが、青春時代の躍動するキラキラした部分は、光の演出として効果的に表れていました。
ストーリーもあらかじめ予想していたものがあったのですが、見事に裏切られました。
そういう点でエンターテインメントなんです。
制作会見で監督は「楽しい作品です」と話したそうです。
新海監督は、「楽しさというのは喜怒哀楽の感情の起伏のすべて」と仰っていて、こういう洞察はわたしに新しい視点を与えてくれました。
わたしは「楽しい」とは思わなかったのですが、監督の「楽しさというのは喜怒哀楽のすべて」という思考の角度は新感覚で、これは最近読んだ「カエルの楽園」もエンターテインメントなのです。
「ものづくり」という観点で語っていているところがあります。
監督にとっては設計図があり、このシナリオ通りにやれば、一部の要素が壊れても成り立つ、大丈夫、という自負があったそうです。しかし、今回の「君の名は。」の制作陣に「想像もしない才能」が集結したことで思いもよらないものに出来上がった、ということです。
だからこそ作る側としては面白くもあり醍醐味もある、そして恐ろしくもある、というわけです。
新海監督の「お客さんへのサービスを徹底して意識した作品」というところも、クリエイターとしてのプロ意識を感じました。
良いものを観客に届けたいというサービス精神、もっともっと「もう一息カットや演出を積み上げる」「豪華な布陣の力をお借りして、自分なりのサービスを最高の形で」提供したい、という思いがたくさん詰まった作品、それが「君の名は。」ということなのでしょうね。
【おまけ】
わたしにとっての「君の名は。」
かけがえのない出会い、
それを大切にしたい、
ですね(笑)
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