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稲田防衛大臣の辞任とPKO日報問題 [新聞記事]

稲田防衛相、事務方トップの防衛次官、陸上幕僚長が辞任する事態にまでなったPKO日報問題ですが、特別監察の結果、及び識者の論点が特集されていたのでまとめました。

稲田氏の辞任について、読売新聞の社説では次のように記載しています。

【引用】
稲田氏が、昨年8月に就任して以降、問題視される言動を繰り返したにもかかわらず、かばい続けたのは安倍首相である。

首相は「任命責任は私にある。厳しい批判は、真摯に受け止めねばならない」と述べた。経験を積ませようと、中堅議員を防衛相に登用するのは避け、国際軍事情勢や安保政策に精通した人材を起用すべきだろう。(読売新聞7月29日)

確かに防衛大臣は国防の要ですからね。「経験を積ませる」という次元ではないと思います。
ソマリア視察での服装が印象深く残っていますが、調べてみると「軽さ」を指摘する方たちも多いですね。
気になったのが、陸自内からという情報流出です。また陸自側は稲田防衛相に「報告書を上げた」としているのに対し、稲田氏は「認識がない」という反応で、両者の溝は深いと指摘していました。

PKO日報問題の経緯が表にされていましたので引用しました。

読売新聞 PKO日報問題.png

※CRF:陸自中央即応集団

稲田氏は日報の非公開方針を了承したかについては「なかった」と断定したということです。28日の記者会見でも「報告を受けたという認識は今でもない」「特別防衛監察がしっかり態勢を組み、事実関係の解明にあたったと思っている」と述べています。

論点スペシャルで、外交評論家の岡本行夫氏は、「防衛相には卓越した資質が必要」とし、国民の生命と安全を確保するという圧倒的な役割を持っているポストに、「まことに幼い人間が就いた」と厳しい指摘でした。

国際ジャーナリストの春名幹男氏は「公文書」の重要性が理解されていなかったのではないか、と述べています。
確かにニュースを聞いていて「廃棄」という話には疑問を持っていました。自衛隊員の活動の記録を簡単に廃棄するなんてあり得るのか、信じられなかったのですが、春名氏は公文書管理法についてこう述べています。

【引用】
法の第1条には、公文書について「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用しうるもの」と極めて重要なことが書いている。公文書の取り扱いが民主主義の根幹に関わるものであるという認識が、防衛省の幹部らの間で共有されていなかった。

一番おかしいと思ったのは、最初の外部からの情報開示請求に対し日報が存在しているのがわかっていたにもかかわらず、「存在していない」と答えたことだ。どう考えてもウソで、理解しがたい。防衛省の中でルールにのっとった対応をしていないのではないかという気がした。(同)

最初に紹介した岡本氏の指摘には、自衛隊は国民の反発を招かないように極力低姿勢を貫いてきた、今回の情報開示に対する消極姿勢も同様だろうとしていました。
こういう部分は現憲法の限界なのかもしれません。

元陸上幕僚長の火箱芳文氏は「省内の意思疎通が不足」と指摘しています。
陸自でデータが保管されていたことの説明を受けなかったことを、稲田氏が、「陸自では保管していないか」と聞きすぐに対処していればここまでダメージは大きくならなかったということで、やはりこれも資質なのかなと思いました。

シビリアンコントロール(文民統制)について、今回は防衛相の指示で特別防衛監察が行われ、陸自側も日報について大臣に報告しようとしていたとして、揺らいでいるとは思わないということです。
一部では「陸自によるクーデター」という論調もありますが、読売の識者の話は慎重でした。

今後の課題として以下のように指摘しています。

【引用】
一連の問題は、陸自中央即応集団(CRF)の副指令官が開示しないよう部下を指導したことが発端だと指摘されている。どの文書を出すか、どこまで黒塗りにするかなど情報公開請求への対応は手間がかかる。海外に展開している国連平和維持活動(PKO)派遣部隊の活動を24時間、365日見守っているCRFでは、情報公開請求に対応する余裕があまりないのが実情だ。情報を公開することで、第三者に部隊の能力が明らかになってしまうことへの警戒感もあっただろう。

今回のケースでは、最初の失敗が次の失敗を招いた。監察結果で列記された改善策を今後の糧にしてほしい。行政文書の管理や情報公開への意識を高めることは、政府全体の課題だと思う。(同)

ここで指摘されている改善策は以下の3項目です。
1、適正な情報公開業務の実施
2、適正な文書管理などの実施
3、日報の保存期間などのあり方の検討及び措置
(同)

首相は「彼女に安保・防衛を学ばせたい」と周囲の反対に耳を貸さなかったということです。
やはり問題の多い稲田氏を後継者として考えたところは、安倍首相の甘さだと思いました。
支持率低下は自ら招いたとも言えます。
ここは初心に立ち返って「憲法改正」に挑んでいただきたいです。

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