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思考のプロセスが大切 指導要領「探究的な学習」 [教育問題]

20日の人生案内に次のような回答がありました。

【引用】
結論から申しますと、この件は、あなたの胸の奥深くに秘めておいた方がよろしいかと思います。つまり、知らぬふりです。
読売新聞12月20日19面

回答したのは出久根達郎という作家でした。
質問者は、嫁の母親が訪ねてきて1週間泊まったが、毎日下着を自宅の洗濯に出した、それが同性として品位を疑うし恥ずかしい、さらに嫁に対しても色眼鏡で見てしまう、息子にも娘にも話せない、どうしたらいいか、というものでした。

わたしが注目したのは、「知らぬふり」でした。
「胸の奥深くに秘めておく」この言葉が奥ゆかしいと思ったわけですが、それを勧める出久根達郎という作家にも興味を持ちました。
たしかに人は自分の弱点や癖を指摘されると嫌な気持ちになります。
そのことが怨みになったりします。
人間関係を継続していくために、「知らぬふり」は大人の対応なのでしょうね。
いつでも「知らぬふり」ではなく、これだけは譲れないという話は、きちんと指摘する、それもまた大人の対応だと思います。
子どもたちにはそういう知恵ある大人になってほしいですね。

さて11面で、2020年から実施される次期学習指導要領で拡充される「探究的な学習」について解説していました。
「思考過程重視 生きる力育む」となっていました。
「探究的な学習」というのは、課題の本質を見極め、少しでもよく解決するための思考のプロセスを身に付ける学習の事、としています。

京都市立堀川高校は国公立大学への進学実績が飛躍的に伸びたそうです。その原動力となったのが「探究の授業」だったということで、教育の内容として、全生徒が週2時間、1年半をかけ、実験や調査を行って論文を書くというものです。

紹介されていた探究的学習のプロセス
① 何が問題なのかを見つけ出す
② 実権や調査を行って情報収集
③ 情報を整理・分析
④ 結論をまとめて発表
読売新聞12月20日11面

生徒たちは、「データの扱い方が適切でないのでは」「課題と結論が対応していない」など保護者や大学の研究者から容赦なく質問を浴びせられるので、「ものすごく頭を使う」と書かれていました。
「重要なのは対話と主体性。生徒は言語能力を磨いて普遍的な力を付ける。教師は絶対に教えないのが決まり」と同校の恩田徹校長は話したそうです。

この取り組みは小中学校では定着していて、国際学力調査「PISA」や全国学力・学習状況調査等でも好成績の結果にもつながっています。
そう言えば、子供たちの研究発表を見に行ったこともあったような・・・・。

【引用】
問題は高校だ。
国際理解や環境、福祉問題など、より好悪で複雑な問題について総合学習で探究するはずが、実際は受験対策のための補修をする学校が少なくない。こうした学校では、教師が板書しながら一方的に説明する従来型の授業が多い。

次期学習指導要領では、高校の総合学習は「総合的な探究の時間」に名称が変わる。理数探究、歴史探究などの科目も新設される。大学入試も改革され、小中学校で身に付けた生きる力が大学までつながるようにする。

探究的な学習に詳しい久野弘幸・名古屋大准教授は「教師が生徒に答えを与える授業では通用しないのは、社会では既に分かっている」と話す。

―――――

研究的な学習は、いわば学びの実践道場だ。実社会や身近な生活から課題を選ぶことで、数学や理科などの他のすべての教科で学んだ知識が生きて働くものになる。様々な人々と対話することで、思考力や判断力が鍛えられる。

結果として受験に必要な学力も付くが、知識を直接教え込むわけではないので、保護者の理解を得るのが難しい。探究的な学習のおかげで進学実績が上がったのに、保護者が受験を理由に探究に猛反対するという話も聞く。

探究的な学習は、子どもにとっては楽しく、よくわかり、教師にとってはやりがいがある。教師だけでなく、保護者にどうわかってもらうかも、普及のカギとなるだろう。
読売新聞12月20日11面

「生きる力を育む」というのが、この新しい学びでの意義を感じました。
探究的な学習を通して、子どもたちの自発的な学びを引き出そうとしているように思います。それこそが「生きる力」のようにも感じました。

高校で論文を書くことは希だと思いますが、さらに発表して質問を受ける、子どもたちにとっては相当勉強が必要になってきます。
娘も留学の研修で論文をいくつか書きました。
皆の前で発表することはなかったのですが、先生に添削していただき再提出する中で、論理的思考や文章の書き方など格段に向上しました。
そして何より、世の中のことに関心を持つようになったことは、これからのことを考えると大きかったと思います。

「人づくりは、国づくり」、安倍内閣の重要テーマの一つが教育です。
子どもたちの個性を伸ばす教育体制、結果が出るには時間がかかるのでしょうが、期待したいですね。

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